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巻層雲が薄く伸びて広がるその上にクラスルームが出現する。流れてきた積雲が六列七個ずつの定位置に並び、柔らかなしかし確固とした机になると生徒がやってきてしずしずと席につく。生徒はみんな青白い、というかほとんど半透明の身体で空の青さを透いている。先生はいるのかいないのか、気配はあるが生徒は気にしない。各自の机に用紙が配られる。用紙も半透明でそれが今日の試験問題だとされている。テスト用紙には何も印刷されていない。用紙を透いて机の雲の白いすじがゆっくりと動く。その模様は問題でもなんでもないが、生徒らはいつまでも無言で用紙のすじをみつめている。そのうち放課後になる。先生は教室を出て行ったのか。気配はない。教室も生徒も赤く染まり始める。あたりがすっかり赤くなったのを見届けると、生徒らは用紙を机に置いたまま一列ずつ教室から出てゆく。みんな帰ると机がもやもやと消えるように融ける。教室には闇が充満する。
ファンタジー
公開:25/02/25 11:04
2020年2月24日から参加しています。
タイトル画像では自作のペインティング、ドローイング、コラージュなどをみていただいています。
よろしくお願いします。
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