家族

ぼくには、家族がいる。
パパ、ママ、それから妹のちーちゃんと、犬のまる助。
みんな仲良しだ。
特にちーちゃんは僕が好きだ。たまにまる助と遊んでいると、泣きながら怒ってぼくを呼ぶ。幼稚園に行く時も、一緒が良いと泣いてしまう。困ったなぁと思いつつ、悪い気分がしないのから、僕はきっと世で言うシスコンなのかもしれない。

こんな日々が、いつまでも続くと思っていた。






目が覚めた時、僕はちーちゃんに抱っこされていた。思春期とやらになってから、こうされるのは久しぶりだ。何処かに出掛けるのだろうか。

「これもういらない」
「あらいいの？それお気に入りだったじゃない。まる助に取られても泣いて、保育園にも持ってくんだって泣いてたのに」
「もう子供じゃないし」

そう言って、古い人形は袋の中に詰め込まれた。袋の中には、ガラクタが詰まっている。


…そっか、家族と思っていたのは、僕だけだったのか。