血液銀行

私は血液銀行で働いている。
主な業務は集められた輸血用血液を管理・保管し、必要に応じてそれを提供する事。故にここを訪れるお客様の多くは医療関係者である。
だが最近は医療関係者以外のお客様も増えてきた。魔術関係者である。
先祖代々受け継いできた魔術の血脈。それを預けに来るお客様が増えている。
少子化の影響もあって、子孫に魔術を教える機会がめっきり減ったそうだ。魔術を手放したい…そんな声も増えている。
魔術関係者の多くは悪魔と契約をしている。
血脈をそのままにしておくと、何も知らない子孫が悪魔と不当な契約してしまう恐れがある…それを防ぐ為に血脈を預けたり、悪魔との契約を打ち切る仲介の依頼が多い。
同時に魔術師になりたいからと血脈を借りに来る新規のお客様もいる。
そんなお客様と悪魔を預けたい魔術関係者を引き合わせるのも当行の仕事です。
脈々と受け継いできた魔術を失わせないよう、最大限努力します。