6
3

突然のメール。タイトル「兄から」私に兄はいない。一人っ子だ。メールは「明日、行くからよろしく」何?
翌日の日曜日、インターフォン。ドアの向こうに男が一人。背格好も顔も私によく似ている。「やあ!」って言われてもなあ。「あなた、とにかくあがってもらったら」妻の美奈子が言う。
ソファにどっかと腰を下ろすとバナナをどっさり出して「土産だ」。長年海外に居たとか。「本当に兄さん?」「俺は浩一」「私は圭次」「圭次の次は次男の次だろ」そんな気もする。彼は昔の話をする。虫採りして遊んだことなどいろいろ。本当に兄か。「職が決まるまで世話になる、いいだろ」私たちに子供はいない。空き部屋が一つ。妻は仕方ないという顔。
兄との同居が始まった。いっこうに職探しをする様子はない。数日後「俺の妻が日本に着いて明日来る」妻?聞いてないぞ。
翌日、インターフォン。ドアを開ける「妻の真奈子だ」私の妻と瓜二つの女が立っていた。
その他
公開:25/02/21 08:25

たちばな( 東京 )

2020年2月24日から参加しています。
タイトル画像では自作のペインティング、ドローイング、コラージュなどをみていただいています。
よろしくお願いします。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容