病容師（びようし）

私は以前、空白恐怖症に悩まされていた。
スケジュール帳の空きが怖くて、とにかく予定を詰めなければと無理をし、それが原因で身体を壊した。
入院中、空白の時間が怖かった。不安で頭がおかしくなりそうだった。
そんな私を救ってくれたのが病容師さんだった。
病容師さんは理容師みたく、私の空白恐怖症をバッサリと切ってくれた。スケジュール帳の空きを見ても、怖くなくなった。
空白恐怖症が治った！…と、思ったがそうではないようだ。
空白恐怖症は放っておくとまた伸びてきて、頭の中を支配しようとしてくるらしい。定期的にカットする必要があるそうだ。
中二病や金欠病も同じで、病気という名前が付くも、正式な病気でないそれらは病容師によって治療される事が多い。
先日、金欠病で困っているという友人に病容師を紹介したところ、病容師さんが私に「あの人、仮病ですよ」と教えてくれた。
その言葉に私は金を返さない友人を切り捨てた。