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自転車をこいだ。
ひとこぎすると、何メートルか日常が遠ざかった気がした。もうひとこぎすると心が軽くなった。気がつくと夢中になっていた。
そうやって何度も何度も、ただ一心不乱に自転車をこぎ続けた。今まで起こった辛いこと、楽しいことも全部。様々な思いが、加速した僕のからだからこぼれていく。もうひとこぎ、もうひとこぎ。太腿が熱くなる、目を開けるのがやっとだ。もうひとこぎ、もうひとこぎ。何も聞こえない、体が悲鳴を上げる
全てを置き去りにして、僕は遂にブレーキを握った。もうこれ以上進めない、限界だった。別に悪いことをしているつもりはない。でもなぜか、罪悪感のようなものがこみ上げてきた。焦りか、苛立ちか、体が強張る感触。
呼吸を整えながら、僕はふと周りを見渡した。見たことのない景色が広がっていた。汗をかいた僕の体に生暖かい風が吹いてくる。ふうと息を吐く。
「またここから」
小さく声に出して呟いた。
ひとこぎすると、何メートルか日常が遠ざかった気がした。もうひとこぎすると心が軽くなった。気がつくと夢中になっていた。
そうやって何度も何度も、ただ一心不乱に自転車をこぎ続けた。今まで起こった辛いこと、楽しいことも全部。様々な思いが、加速した僕のからだからこぼれていく。もうひとこぎ、もうひとこぎ。太腿が熱くなる、目を開けるのがやっとだ。もうひとこぎ、もうひとこぎ。何も聞こえない、体が悲鳴を上げる
全てを置き去りにして、僕は遂にブレーキを握った。もうこれ以上進めない、限界だった。別に悪いことをしているつもりはない。でもなぜか、罪悪感のようなものがこみ上げてきた。焦りか、苛立ちか、体が強張る感触。
呼吸を整えながら、僕はふと周りを見渡した。見たことのない景色が広がっていた。汗をかいた僕の体に生暖かい風が吹いてくる。ふうと息を吐く。
「またここから」
小さく声に出して呟いた。
その他
公開:25/02/20 00:38
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