2匹の不思議なサル （動物園の檻 no.3）

次郎君は近頃、動物園を歩くのが趣味です。

今日も動物園を訪れ、園内を歩いていると、２匹のおサルがいました。親子のサルのようです。
檻の中で、子ザルが親ザルに手を引かれ、こちらを見ています。
その子ザルの顔は、なんと、幼い頃の次郎君でした。

奇妙に思いつつ、彼が檻の横の「スタンプラリー」のスタンプを手に取ると。
サルが、高い声で「キィーッ」と叫びました。

驚いて２匹のサルを見ると、景色がユラユラとゆれ、やがてハッキリしました。
おや？子ザルはもう大人のようになり、その横に小さな年老いた親ザルが座っています。
「何十年も、時間が過ぎたみたい」と次郎君は思いました。

ふと自分を見ると、ボロボロの古着や古靴になっています。

彼が驚いてスタンプを落とすと、ぱっと景色が消え、彼は動物園の入り口近くに戻っていました。

もし、あのままスタンプを押していたら。
次郎くんは、なぜか怖くなりました。