猫 奉行
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「たま。今夜も聞かせておくれ」
ご主人様は不思議なことに僕の言葉がわかる人間だ。
今夜も僕は猫語で、ご主人様に報告する。
町奉行所で働いているご主人様はいつも忙しい。
そして僕のお仕事は夜な夜な、近所の猫たちの集会に顔を出して情報を得ることだ。しっかりと覚えてお家へ帰り、報告するのだ。
報告が終わるといつもご主人様は褒めてくれる。
どれほど役に立っているのか僕にはわからないが、ご主人様は町人からの評判がいい。
瓦屋根で寝転んでいる僕のしっぽが機嫌よく揺れる。
時は過ぎて、東京の架下にある喫茶店。
「たま。今日も店番よろしくな」
白髪頭のご主人に頭を軽くポンポンされた。
僕はひと鳴きする。
今のご主人は情報を求めない。テレビというものが色々と教えてくれるからだ。
腰に刀を差さない時代に変わったけれど、昔の癖が抜けない僕は今日もいつもの席で密かに聞き耳を立てている。
ご主人様は不思議なことに僕の言葉がわかる人間だ。
今夜も僕は猫語で、ご主人様に報告する。
町奉行所で働いているご主人様はいつも忙しい。
そして僕のお仕事は夜な夜な、近所の猫たちの集会に顔を出して情報を得ることだ。しっかりと覚えてお家へ帰り、報告するのだ。
報告が終わるといつもご主人様は褒めてくれる。
どれほど役に立っているのか僕にはわからないが、ご主人様は町人からの評判がいい。
瓦屋根で寝転んでいる僕のしっぽが機嫌よく揺れる。
時は過ぎて、東京の架下にある喫茶店。
「たま。今日も店番よろしくな」
白髪頭のご主人に頭を軽くポンポンされた。
僕はひと鳴きする。
今のご主人は情報を求めない。テレビというものが色々と教えてくれるからだ。
腰に刀を差さない時代に変わったけれど、昔の癖が抜けない僕は今日もいつもの席で密かに聞き耳を立てている。
その他
公開:25/02/16 10:11
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