プレゼント

昨日の夕方、私はいつも食事を作ってくれる母に代わり台所に立った。
「どういう風の吹き回し？」と母。どうやら、自分の誕生日を忘れているようだ。
父は「折角だし外食なんてどうだ？」と提案してくる。
しかし週末の金曜日。外食する家族は多そうだ…
デリバリーという手もあるが、たまには料理を作るのもいいだろう。
「それもそうだな」と頷く父。私と並んで台所に立つ。
父は意外と器用だった。料理できるなんて知らなかった。
母ではなく、父に料理を教わる。それはとても新鮮だった。
作った料理はカレー。
結局のところ、凝った料理より、ありふれた家庭料理が一番おいしい。
母も喜んでくれたし、父の意外な一面も発見できた。
これからは時々、夕食作ってみようかな…

今日、私は隣の家を訪れた。
「恭介、おはよ。昨日ウチ、カレーだったんだけどさ、これ隠し味に使わなかったからあげる」
そういう事にして、本命チョコを渡した。