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出張先で野道を歩いていると、突風とともに飛んできた一本の小枝が額に当たった。小さく悲鳴をあげたほど地味に痛かった。
しかしとなりにいた取引先の社長は、「これは縁起がいい」と言うのだ。
「この辺りじゃ『風来棒』って言ってね、幸運のしるしなんだよ。どれ、ひとつ試してみよう」
促されるまま昔ながらの駄菓子屋に入り、当たり付きのアイスを買ったら、二本つづけて大当たり。面白がる社長からは大口の仕事を預かり、高級料亭でご馳走になった。滞在中は天候にも恵まれ、予定より一日早く仕事を終えた。
小枝は持ち帰り、仕事用のバッグに忍ばせているが、特別いいことは起きていない。
しかしわたしには家族がいる。いまのところ大きな病気もしていない。波風のない穏やかな日常に、しみじみとしあわせをかみしめている。
この気持ちをぜひ社長にお伝えしたいと思った。わたしはすぐにペンをとり、世話になったお礼の手紙を書いた。
しかしとなりにいた取引先の社長は、「これは縁起がいい」と言うのだ。
「この辺りじゃ『風来棒』って言ってね、幸運のしるしなんだよ。どれ、ひとつ試してみよう」
促されるまま昔ながらの駄菓子屋に入り、当たり付きのアイスを買ったら、二本つづけて大当たり。面白がる社長からは大口の仕事を預かり、高級料亭でご馳走になった。滞在中は天候にも恵まれ、予定より一日早く仕事を終えた。
小枝は持ち帰り、仕事用のバッグに忍ばせているが、特別いいことは起きていない。
しかしわたしには家族がいる。いまのところ大きな病気もしていない。波風のない穏やかな日常に、しみじみとしあわせをかみしめている。
この気持ちをぜひ社長にお伝えしたいと思った。わたしはすぐにペンをとり、世話になったお礼の手紙を書いた。
ファンタジー
公開:25/02/19 20:24
☆やコメントありがとうございます✨
以前のアカウントにログインできなくなってしまい、つくりなおしました。
イラストはibisPaintを使っています。
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