すごい気配り

昨日まで農作業をやっていた僕達に突如、出兵命令が出た。
拒否する事も逃げる事も出来ず、強制連行されるかの如く戦場の最前線まで連れて来られた。
戦闘訓練？そんなのやったことない。
噂で聞いた人間爆弾。きっと僕達はそれにされるんだ…恐怖で体の震えが止まらない。
「おいおい、お前ら？大丈夫か？」
ここの責任者である大佐が僕達を見て笑う。
「お前らも大変だよなぁ…こんな紙切れ一枚で戦場まで飛ばされるんだからよぅ」
大佐は僕達の出兵命令書を折紙にして遊んでいる。この人にとって、僕達の命なんてその程度なんだ…
「この紙飛行機、よく飛ぶな。お前らの故郷まで飛ぶんじゃないか？」
大佐はそう言うと僕達を故郷行きの飛行機に乗せてくれた。
「ここは俺らの戦場で、お前らの戦場は畑だ。俺らはお前ら国民を守る。お前らは俺達の食料と家族の幸せを守りな」
大佐のおかげで、僕達は今も僕達の戦場で家族と一緒に戦っています。