すごい気配り

最近、宇宙にごみを捨てる輩が多すぎる。
ごみのポイ捨ては普通に考えるといけない事だが、ここ宇宙空間ではそれらゴミが何らかの要因で燃える事がある。
それを「流れ星」と呼んで喜ぶ惑星現地民もいる事から、もっと流れ星を見せてやろうとゴミを捨てる輩が増えた。
それを捕らえるのが我々の仕事だ。
先日の話だ。ある惑星からお粗末なロケットが打ち上げられた。
碌な装備もない。こんな中に生き物がいたらと思うとゾッとする。だが、そこにそれは乗っていた。
犬、と呼ばれる生き物だ。そいつがたった一匹、ロケットに乗っていた。
頭を抱える。ため息をつく。ついにあの惑星の現地民ですら、宇宙にごみを捨てるようになったか…
この犬が何をしたのかは知らない。だが、命は粗末にするものではない。
我々は犬を助け、治療を施し、秘密裏に地球へと帰した。
その縁もあり、ライカと名付けられたあの犬とは７０年経った今でも交流を続けている。