見上げる視界

“でっかいのに鈍臭いやつだな”

俺は周りにいる人を見てこう思う。

もっと俊敏に動けばいいのに。

そうすれば余った時間で寝たり、仕事をしたり、遊んだりできるのに。

生きてる時間は有限なのだから、こうすれば短くても人生を目一杯楽しめる。

さて、今日も時間が余ったから公園にでも行くか。

人は面白い。

すれ違う人、皆違う表情をしている。

家を出て最初にすれ違ったのは険しい顔をしたスーツ姿の男性。

こみかみに手を当てブツブツと1人で何か言いっている。

次にすれ違った人は、白いワンピースを着た女性。

耳元についたフリフリしたものがたまらなく気になる…。

その女性を横目にして進む。

おっと、そろそろ公園に着きそうだ。

いつも俺が公園に行くと、遊んでいる子供達が集まってくる。

まぁ俺は有名人だからな。

ほらな、今日も来た。

とりあえず、俺は言ってやった。

「ニャーオ。」