想いの分だけ
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咲良は一年越しのリベンジに燃えていた。
去年のバレンタインデーは前日に大失敗してしまい、颯汰くんにチョコをあげられなかったのだ。
それからの一年、毎週末お菓子作りの練習を続けていた。
私のたゆまぬ努力を聞きつけ、叔母の響子ちゃんがバレンタインデーの前日に手伝いに来てくれた。
「最後におまじないをしてあげる。このおまじないは頑張った期間が長ければ長いほど効くから、きっと一番頑張った咲良ちゃんの想いが颯汰くんに伝わるはずよ」
颯汰くんは人気者で、五個のチョコレートを受け取っていた。想いが叶うと思っていたけれど、バレンタインデーの翌日から、颯汰くんは千夜子ちゃんと一緒に帰るようになっていた。
後日、千夜子ちゃんはため息をつきながら言っていた。
「でもね、うちに遊びに来ても、颯汰くん、ずーっとおじいちゃんと一緒にいるのよ。私のおじいちゃんってパティシエでね、五十年間ずーっと弟子を欲しがってたの」
去年のバレンタインデーは前日に大失敗してしまい、颯汰くんにチョコをあげられなかったのだ。
それからの一年、毎週末お菓子作りの練習を続けていた。
私のたゆまぬ努力を聞きつけ、叔母の響子ちゃんがバレンタインデーの前日に手伝いに来てくれた。
「最後におまじないをしてあげる。このおまじないは頑張った期間が長ければ長いほど効くから、きっと一番頑張った咲良ちゃんの想いが颯汰くんに伝わるはずよ」
颯汰くんは人気者で、五個のチョコレートを受け取っていた。想いが叶うと思っていたけれど、バレンタインデーの翌日から、颯汰くんは千夜子ちゃんと一緒に帰るようになっていた。
後日、千夜子ちゃんはため息をつきながら言っていた。
「でもね、うちに遊びに来ても、颯汰くん、ずーっとおじいちゃんと一緒にいるのよ。私のおじいちゃんってパティシエでね、五十年間ずーっと弟子を欲しがってたの」
公開:25/02/15 00:35
北海道出身です。
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