紙とたぬき

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白い紙は美しい。
たぬきはかわいい。
だが、表面的に見ても、真実は見えない。

真は言う。「35歳?全然、見えないね。25歳でも通用するよ。」

愛子は言う。「よく言われる。」

白くて、汚れない純粋な人は何事も、素直に上っ面で捉える。
人も物も、表と裏がある。

愛子は言う。「あんた信じてばかりだと、そのうち死ぬよ。」

そんな馬鹿な事があるかと思いながら、上っ面で生きる。

たぬきは可愛いが、凶暴性もある。
可愛いと認識されるものはその事がよく分かって生きている。

白い紙は何色にでも染まる。

たぬきは可愛いが、人前でだけだ。
山奥では、たくましく生きている。
誰かと共存するときは、何色かに染まらなくてはならない。

紙もたぬきも同じ。
人は生き抜く為に、相手色に染まる。

染まる側ではなく、染める側でもなく、グレーという、中間の色をお互いに目指せばいいだけ。

それが真実で幸福。
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公開:25/02/14 13:06

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