シミ
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昼下がりのオフィスに、部長の声が響いた。
「おーい、みんな休憩にしよう」
いつもは休憩時間なんてないのに。
部長を見るとニコニコ笑っていて、手に何か持っている。
「それ何ですか?」
誰かが尋ねた。
「社長の心臓」
部長が答えた。
「社長から抜き取ってきたんだ」
部長はその心臓を床に置いた。
「みんなストレス溜まってるだろうと思ってな」
部長は言った。
「蹴ったりしていいぞ」
部長は笑っている。
しかし誰も動かなかった。しばらく沈黙が続いた。
「みんな遠慮深いなあ」
部長は心臓を拾い上げて、口笛を吹きながらどこかへ去っていった。
床に黒いシミが残った。それを横目に私たちは仕事を再開した。
「おーい、みんな休憩にしよう」
いつもは休憩時間なんてないのに。
部長を見るとニコニコ笑っていて、手に何か持っている。
「それ何ですか?」
誰かが尋ねた。
「社長の心臓」
部長が答えた。
「社長から抜き取ってきたんだ」
部長はその心臓を床に置いた。
「みんなストレス溜まってるだろうと思ってな」
部長は言った。
「蹴ったりしていいぞ」
部長は笑っている。
しかし誰も動かなかった。しばらく沈黙が続いた。
「みんな遠慮深いなあ」
部長は心臓を拾い上げて、口笛を吹きながらどこかへ去っていった。
床に黒いシミが残った。それを横目に私たちは仕事を再開した。
ホラー
公開:25/02/13 23:19
短い読み物を書いています。その他の短編→ https://tomokotomariko.hatenablog.com/
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