0
1
その人は、いつも空を見ていた、空の、何を見ているのだろうか、その人が見ているあたりを、わたしも見てみた、真っ白な雲があったり、鳥がはたはた飛んでいたり、なんにもないただ青い夏の空だけのときもあった
必ず、本を手にしていた、教室でも、屋上でも、校庭のすみっこにいるときでさえ、空を見るときは、そうするのが、その人なりの作法のような、けれど、手にあった本が、開かれているとこは、まだ、見たことがなかった
その本は、決まって青く、けれど、夏の空のようでも、海のようでもなく、誰も泳いでいない静かなプールを思わせる青で、わたしは、さみしくなって、涙をながす
その人は、わたしに見られていることに気がついてなくって、わたしがその人をみていることは、わたし以外、ほかの誰も知らない
知らなくていい、知られてはいけない、そうやって暑い夏をやりすごす、それが、わたしにとっての、ひと夏の作法であるかのように
.
必ず、本を手にしていた、教室でも、屋上でも、校庭のすみっこにいるときでさえ、空を見るときは、そうするのが、その人なりの作法のような、けれど、手にあった本が、開かれているとこは、まだ、見たことがなかった
その本は、決まって青く、けれど、夏の空のようでも、海のようでもなく、誰も泳いでいない静かなプールを思わせる青で、わたしは、さみしくなって、涙をながす
その人は、わたしに見られていることに気がついてなくって、わたしがその人をみていることは、わたし以外、ほかの誰も知らない
知らなくていい、知られてはいけない、そうやって暑い夏をやりすごす、それが、わたしにとっての、ひと夏の作法であるかのように
.
青春
公開:25/08/04 03:48
【 Comments Welcome / No Reply sorry 】
https://bsky.app/profile/amanasstsymana.bsky.social
https://x.com/amanasstsymana
https://note.com/amanasstsymana
https://estar.jp/users/1510763196
創作 創作小説 短編 超短編
コメントはありません
ログインするとコメントを投稿できます
あまなす / 雨茄子