物語のある家

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誰も住まなくなった実家を手放すと友人に話したら、その前に家を見せてくれ、と言われた。
出版社で小説の担当編集をしている友人は物語を読み解く力がある。
「古い家は物語を感じさせてくれるんだ」
柱の傷一つから、名探偵のように昔の私がどうであったかを推理していく友人。
染みついた生活臭が、友人に家族の物語を感じさせているようだ。
その話に涙が出てくる。実家で暮らしていた頃を思い出す。
もっと親孝行しておけば良かった…と後悔すると同時に、物語のある家を手放すのをやっぱりやめようかと考え直す。
「それはやめた方がいい。この家の物語は、すでに完結している。下手に続編を作るんじゃない」
白アリに齧られた痕のある柱。きしむ家に肩を落とす。
「…だが、家を建て直すのなら別だな。土台はしっかりしている。次に建つ家も、きっといい物語を描くだろう」
もしここに新しい家を建てたのなら、その物語の担当は友人に頼もう。
公開:25/08/06 21:29

幸運な野良猫

yahoo!サーバーに問題が発生したらしく2022年9月1日より2週間入れなかったので新規にアカウント取得。
半年以上毎日Yahoo!IDでログインを試みるも、現在進行形でログインできない状態です。#EY003って何だ?
そのIDも凍結されてしまったので旧アカウントには手出しができない状態です。
運営に報告するも、ずっと無視されております。自動応答メールだけが返ってくる…1年経過で、もう諦めた…2年経過で、ただただ失望した…3年経過で、もういい加減退会したい…

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