偏愛、劇薬。

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彼女が警察から消息不明と連絡を受けた夜。
抱き合うたびに僕達の間違った愛情を痛感する。
でも、肌に触れた瞬間全て正当化される。

引き出しに手を伸ばすと、そこには古い写真と――
何十錠もの薬が詰まる瓶。

「これ、少しずつ集めたの。飲んだふりしたり⋯ね。大変だった」
笑って言う彼女の声は、震えていた。瞳は澄んでいる。
触れれば壊れそうな表情。その手は、ひどく温かい。

「生きてると、心ってすぐ汚れるの。
でも⋯死ねば綺麗なままでいられる」
その声は冬枯れの庭に咲く最後の花の様に儚くて美しい。
微笑む唇は微かに冬桜の香りが漂う。

彼女の指が頬を撫でる。
「ずっと夢だったの、君に触れる事」

言葉を失った。理性が抜け落ちる感覚。
もう迷いは無い。僕達は永遠を約束する。
「ね⋯誰にも触れさせない。全部私のもの」

僕達の関係もこの部屋では全部正しい。だから――
「愛してる。だから、壊させて」
恋愛
公開:25/07/30 10:50
自殺

広辞苑

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