天使と悪魔

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男は迷っていた。
男は収入が少なく、彼女との結婚に踏み切れないのだ。

「愛は何よりも尊いモノ。結婚すべきです。」
声のしたほうには白い羽根を持った「天使」がいた。

すると今度は、別の声がした。
「お前は稼ぎが少ねぇんだろ?」
そこには黒い羽根を持った悪魔がいた。
男は悪魔の言葉を聞き、躊躇した。

悪魔は続けて言った。
「だったら、お前にもっと稼げる仕事を紹介してやろう。」
悪魔の言葉に、天使も続いた。
「毎日、彼女を愛してあげるのですよ。」
二人の言葉で、男の顔は晴れやかになった。
「ありがとう。新しい仕事に就いて、彼女にプロポーズするよ。」
男はそう言うと、走り去った。

男が去ったあと、天使が電話をしていた。
電話の相手は男の彼女であった。
天使が電話を終えると、二人は羽根を外し、スーツに着替えた。
スーツの胸には、

『Wedding A&D』

と書かれたバッヂが光っていた。
その他
公開:25/07/31 14:47
更新:25/07/31 21:39

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