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長い間誰も居ない古家に友人と肝試しに来た。芝生の庭は荒れ放題で石に躓き、草を踏む足音にも驚き冷や汗の連続だ。
芝生に埋もれた透明なケースに、電灯の灯りが当たりピカッと光り尻もちをついた。ひび割れしたスノードームじゃないか、手に取るとドームは冷蔵庫から出したばかりの様に冷たく、中の椰子の木も鳥も雪に埋もれていた。
二つともピクッ動き早く外へ出たそうだ、石でケースを叩き続けるとガチャンと割れ、中の二つは飛び出て来た。生きていたのだ。
椰子の木は庭の椰子の木の根本に埋めてくれと言った、鳥は椰子の木の横の巣に入れて欲しいと言った。何十年もドームの中に閉じ込められていた様だ。
空の明かりだけで庭が見渡せる、二つの希望を叶え、鳥の巣の方を見ると鳥達が目を覚ましたらしく騒いでいた。椰子の木はいつの間にか私達の背よりも高くなっている。
友人と良い汗をかいたなあ、夢じゃないよなあと声を掛け合い家路へ急いだ。
芝生に埋もれた透明なケースに、電灯の灯りが当たりピカッと光り尻もちをついた。ひび割れしたスノードームじゃないか、手に取るとドームは冷蔵庫から出したばかりの様に冷たく、中の椰子の木も鳥も雪に埋もれていた。
二つともピクッ動き早く外へ出たそうだ、石でケースを叩き続けるとガチャンと割れ、中の二つは飛び出て来た。生きていたのだ。
椰子の木は庭の椰子の木の根本に埋めてくれと言った、鳥は椰子の木の横の巣に入れて欲しいと言った。何十年もドームの中に閉じ込められていた様だ。
空の明かりだけで庭が見渡せる、二つの希望を叶え、鳥の巣の方を見ると鳥達が目を覚ましたらしく騒いでいた。椰子の木はいつの間にか私達の背よりも高くなっている。
友人と良い汗をかいたなあ、夢じゃないよなあと声を掛け合い家路へ急いだ。
SF
公開:25/07/26 10:51
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