霊感寝具
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(もしもし、わたしですよ)
俺は冷たい敷布団の上で金縛りにあっていた。
(ねえったら)
姿は見えないが、声には聞き覚えがある。
「ばあちゃん? 去年亡くなった――」
(おばあちゃんです)
「会いに来てくれるのは嬉しいけど」
金縛りは苦しくて困る。
(その敷布団のせいなんだよ)
「敷布団?」
(ヘンテコな敷布団買ったろ?)
「どうせ冷感寝具の間違いだと思って――セールで安かったし」
(つぶれた工場に放置されていた商品だから格安なんだよ)
「えっ」
(しかも、その工場は自殺の名所になってるんだよ)
「嘘だろ」
(本当さ。だから、こうして――ふふふふふ)
「ばあちゃんなんだよな?」
(わたしの孫は霊感なんかなくてねえ)
「え?」
(あんたはいいね、張り合いあって。ちなみに、さっきの話も半分嘘だよ。どうだい、冷えたかい?)
「新手の詐欺かよ!」
(半分は本当だよ)
俺は冷たい敷布団の上で金縛りにあっていた。
(ねえったら)
姿は見えないが、声には聞き覚えがある。
「ばあちゃん? 去年亡くなった――」
(おばあちゃんです)
「会いに来てくれるのは嬉しいけど」
金縛りは苦しくて困る。
(その敷布団のせいなんだよ)
「敷布団?」
(ヘンテコな敷布団買ったろ?)
「どうせ冷感寝具の間違いだと思って――セールで安かったし」
(つぶれた工場に放置されていた商品だから格安なんだよ)
「えっ」
(しかも、その工場は自殺の名所になってるんだよ)
「嘘だろ」
(本当さ。だから、こうして――ふふふふふ)
「ばあちゃんなんだよな?」
(わたしの孫は霊感なんかなくてねえ)
「え?」
(あんたはいいね、張り合いあって。ちなみに、さっきの話も半分嘘だよ。どうだい、冷えたかい?)
「新手の詐欺かよ!」
(半分は本当だよ)
ホラー
公開:25/07/24 21:08
射谷 友里(いてや ゆり)と申します
十年以上前に赤川仁洋さん運営のWeb総合文芸誌「文華」に同名で投稿していました。もう一度小説を書くことに挑戦したくなりこちらで修行中です。感想頂けると嬉しいです。宜しくお願いします。
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