水と少年

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「僕は何のために、生まれてきたのだろう。」

真は生きている意味が分からなかった。
自分は兄、姉と違って優秀ではないから、捨て子だと思っていた。

何の取り柄もない自分は世の中に受け入れてもらえないと思っていた。

水は生きていくうえで欠かせない。
地球上の生命にとって欠かせない。

人にとって希望は水のようなもの。
希望がないと、先に進めない。

「僕は歌を歌い、人を元気にしたい。」

真は歌い続ける。

「私は呪われているかもしれない。」愛子は言った。

そんな言葉を打ち払いたいから、愛子を元気にしたいから、真は歌う。

真少年にとって、必要な水は歌だった。

自分は何の取り柄もないと思って生きてきた。

少年は歌という水を得て、生き生きした人生に変わった。

希望という水は溢れやすいが、体に浸透して、初めて希望に変わる。
その他
公開:25/07/28 16:06

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