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 看守は、独房の囚人から、一枚の葉書を受け取った。「これ出しておいてくれますか」囚人はそう言った。看守は葉書をチェックした。宛名は『月』と書かれていた。内容は、「私の独房の窓から見える位置に昇ってほしい」と月に懇願する手紙だった。看守はその葉書を気象調整所に送った。長い審議の末、しばらくして、夜の空に雲が多く配給されるようになった。
SF
公開:25/07/21 17:48

六井象

短い読み物を書いています。その他の短編→ https://tomokotomariko.hatenablog.com/

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