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良い水を求め、とある町へ行った。
かつて宿場町だった名残があり、大きな街道沿いには、「水あります」と書かれたのぼりがこぞって掲げられている。
「うちの水は焼いても炒めてもいけるよ〜!」とか「家のなかで焚けば天然アロマとして使えますよ」などという看板おやじたちの呼び込みをかわし、噂で聞いた伝説の店を探す。
しかし1時間歩き回ってもそれと思しきところは見つけられなかった。
私はすっかり疲れ果て、偶然見つけたかき氷屋に入った。
シロップやトッピングに頼らない削っただけの氷は、今までに食べたどのかき氷より美味だった。思わず涙がこぼれたほどだ。
ピンと来てたずねると、おやじはざっくばらんに打ち明けた。
「磨き方にコツがあってさぁ、俺は単に昔のやり方にこだわってるだけなんだがねぇ」
継承できる若手がいないから、もう水としては売っていないのだと語る。
私はまた来ますと言いおいて、都会へ戻る電車に乗った。
かつて宿場町だった名残があり、大きな街道沿いには、「水あります」と書かれたのぼりがこぞって掲げられている。
「うちの水は焼いても炒めてもいけるよ〜!」とか「家のなかで焚けば天然アロマとして使えますよ」などという看板おやじたちの呼び込みをかわし、噂で聞いた伝説の店を探す。
しかし1時間歩き回ってもそれと思しきところは見つけられなかった。
私はすっかり疲れ果て、偶然見つけたかき氷屋に入った。
シロップやトッピングに頼らない削っただけの氷は、今までに食べたどのかき氷より美味だった。思わず涙がこぼれたほどだ。
ピンと来てたずねると、おやじはざっくばらんに打ち明けた。
「磨き方にコツがあってさぁ、俺は単に昔のやり方にこだわってるだけなんだがねぇ」
継承できる若手がいないから、もう水としては売っていないのだと語る。
私はまた来ますと言いおいて、都会へ戻る電車に乗った。
その他
公開:25/07/17 09:44
☆やコメントありがとうございます✨
作品のイラストはibisPaintを使っています。
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