お土産
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夏の終わり、公園の隅の、段ボールで出来た、神様の家に遊びに行った時、帰り際に、神様に、生命の欠片をお土産に渡された。僕はそれを手の中でもてあそびながら、家路を歩いていた。ふと、道に、セミの死骸が落ちていることに気づいた。僕はさっき渡された生命を、セミの死骸にセットした。セミは生き返り、しばらくぼんやりした後、飛び立って、電柱にとまって、鳴き始めた。夏は終わるけれど、このセミは再び始まったばかりだ。
ファンタジー
公開:25/07/15 18:04
短い読み物を書いています。その他の短編→ https://tomokotomariko.hatenablog.com/
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