私の嫌いなもの

私は宇宙人が嫌いだ。宇宙人は地球人をやたらとバカにしてくる。
UFOをはじめとした技術を自慢しては「地球なんていつでも侵略できるんだからな」と、お決まりのセリフ。溢れ出る小者感に辟易するよ。
とはいえ、そんな小者でも放っておくと危険だ。
つい先日、Aさんの中学生の息子が宇宙人に体を乗っ取られた。
偉そうな宇宙人は、その態度が反抗期のそれとよく似ている。だから最初は乗っ取られている事に気が付かない。それで手遅れになる事が多い。
私は手遅れになる前にAさんの息子を捌いた。実は宇宙人の肉、滅茶苦茶美味い。
普段は固い鱗に覆われている宇宙人も、人間に乗っ取りたてはその鱗を持たず肉も柔らかい。捌いて食べるなら今しかない。
息子を亡くした悲しみに涙するAさん。だけどその悲しみも宇宙人の美味しさが忘れさせてくれる。
感心するよ。私の息子をやたらバカにしてきたAの息子が、こんなにも美味しくなるんだから。