つぼみとシルエット

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祖父の影響もあり、絵を描くことが好きだった私は将来画家になりたかった。
他愛もない、子どもの夢だ。
祖父は私の誕生日には必ず色鉛筆をくれた。36色のそれに当時の私は喜んだ。
だけど、徐々に絵を描かなくなってくるとそれが疎ましくなってくる。
「もう色鉛筆なんていらない」
そう言うと、祖父はとても寂しそうな顔をしていた。
祖父が亡くなった時、母から祖父の遺品として蕾鉛筆を渡された。
筆先が蕾のように固く閉じたそれは、ナイフで削っても色のある部分は出てこなかった。
そんな蕾鉛筆が先日、物置から出てきた。
懐かしいな…箱の蓋を開けると、ふわりと花の香りがした。筆先が色づいていた。
蕾鉛筆を書きかけの絵に走らせる。たったそれだけで、絵が華やいだ。
箱の蓋の裏には「君の老後が花開くよう願っています」と祖父の文字。
定年退職した私へのメッセージだろう。
鏡を見る。祖父そっくりに老けた私がそこにいた。
公開:25/07/13 21:13

幸運な野良猫

yahoo!サーバーに問題が発生したらしく2022年9月1日より2週間入れなかったので新規にアカウント取得。
半年以上毎日Yahoo!IDでログインを試みるも、現在進行形でログインできない状態です。#EY003って何だ?
そのIDも凍結されてしまったので旧アカウントには手出しができない状態です。
運営に報告するも、ずっと無視されております。自動応答メールだけが返ってくる…1年経過で、もう諦めた…2年経過で、ただただ失望した…

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