こっくりさん

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 私には霊感がある。きっと今日この放課後のために神様が授けてくれたのだろう。
「ねえ由美。ほんとなんだね。お化けセンサービビッときたんだねー」
「そうよー朋子。怖いなら帰ってもいいのよ」
「ふんっ、あたしゃやるわよ。圭介もやるでしょ」
「ああ。由美が一緒なら安心だ」
 くらっときた。私は圭介くんに恋をしている。
「いい。絶対に力を入れちゃだめだよ。こっくりさん怒っちゃうからね」
 霊感がなかったらこんなこと怖くてできない。実は今日、いない日なのだ。
「こっくりさん、こっくりさん、いらっしゃいますか」
 10円玉が紙の上を走り「ハイ」と示す。さて本番だ。
「あれ。まだ動きそうだよ」
 そう言いながら「マミハケイスケスキ」のルートを復習する。あれ、勝手に動き始めた。
「マミスキダヨ」
 なんだって。震えている人差し指。真っ赤な顔の朋子。こっくりさんは描いてみせた。鮮やかな恋のトライアングルを。
青春
公開:25/07/04 19:42
更新:25/07/04 19:52

キャベツロール

入院中の暇つぶしに始めました。
物語が好きです。
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