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例えるとしたら、かすかな希望だった。
灰色で覆われた世界。弱々しく伸びる草は枯れ果てた。大地の水を吸い上げるはずの根は腐って黒色に変色し、おまけに熱射にやられたのか、枯草の先端からは火が上がる。
抵抗するすべもなく燃え尽きた草は、地面に倒れ込み、灰色の世界に黒色を添える。
絶望という灰が、徐々につもっていく。
それでも、弱々しい草たちは、いつしか頭をもたげ、ゆっくりと空を目指し始める。
全ては無駄だと知っているのに、本能の導かれるまま、空を目指す。
まるで、私達と同じではないだろうか。
無駄だと知っても空を目指すのか、それとも無駄だと知って空を諦めるのか。
僅かながら、大きな違い。
灰色で覆われた世界。弱々しく伸びる草は枯れ果てた。大地の水を吸い上げるはずの根は腐って黒色に変色し、おまけに熱射にやられたのか、枯草の先端からは火が上がる。
抵抗するすべもなく燃え尽きた草は、地面に倒れ込み、灰色の世界に黒色を添える。
絶望という灰が、徐々につもっていく。
それでも、弱々しい草たちは、いつしか頭をもたげ、ゆっくりと空を目指し始める。
全ては無駄だと知っているのに、本能の導かれるまま、空を目指す。
まるで、私達と同じではないだろうか。
無駄だと知っても空を目指すのか、それとも無駄だと知って空を諦めるのか。
僅かながら、大きな違い。
その他
公開:25/07/02 22:21
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