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私の父はことあるごとにくじ引きをしたがる。たとえば歯ブラシ。交換のタイミングになるとお手製の棒みくじをだしてきて、家族全員に引くよう促すのだ。そして私は決まって黄色か青色の歯ブラシになる。ピンク色が欲しいのに、なぜか弟のもとへ割り当てられてしまう。
このあいだファミレスに行ったときは史上最悪だった。池や岩、火属性の魔人にルートを阻まれるというわけのわからない手書きのあみだくじを出すと、各々が食べたいと望んだメニューをゴールに書き込み、スタート地点を選択させたのだ。そこで私は当然のように敗北を喫し、父が選んだ月見とろろカレーを食べる羽目になった。
このまま一生くじを引かされることを考えたらうんざりする。父のいない時を見計らって愚痴をこぼすと、母はうふふと笑ってこう言った。
「お父さんもくじ引きで選ばれた人だから。拗ねてるのかもしれないわ」
それ以上を聞くのは怖くなり、口をつぐんだ。
このあいだファミレスに行ったときは史上最悪だった。池や岩、火属性の魔人にルートを阻まれるというわけのわからない手書きのあみだくじを出すと、各々が食べたいと望んだメニューをゴールに書き込み、スタート地点を選択させたのだ。そこで私は当然のように敗北を喫し、父が選んだ月見とろろカレーを食べる羽目になった。
このまま一生くじを引かされることを考えたらうんざりする。父のいない時を見計らって愚痴をこぼすと、母はうふふと笑ってこう言った。
「お父さんもくじ引きで選ばれた人だから。拗ねてるのかもしれないわ」
それ以上を聞くのは怖くなり、口をつぐんだ。
その他
公開:25/07/02 20:55
☆やコメントありがとうございます✨
作品のイラストはibisPaintを使っています。
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