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鏡面のひび割れたカーブミラーは今日も俯いていた。もう通りを映すことができない、誰の役にもたてない。人々から忘れ去られたこのカーブミラーを修理してくれる者はいなかった。

「綺麗……」

ある日、一匹の蜘蛛がカーブミラーのひび割れを見て言った。
蜘蛛は糸を紡ぐのが大好きだったが、紡ぐ度に人間から疎まれることが続き自信をなくしてしまった。自分の糸はそんなに迷惑なものなんだ、どうしたら迷惑をかけないだろうと思い悩むうち、糸の紡ぎ方がわからなくなり、終いには糸が詰まるようになった。

「通りかかる誰かを気にかけて慎重に紡ぐのは大切。でも、思いきりよく紡いだ方がいい時もあるかも!」

蜘蛛はカーブミラーの向かいにある廃屋へ飛び移ると深呼吸して、自由に糸を紡ぎ出した。

人々から忘れ去られたひび割れのカーブミラー。しかし、その鏡面には夏空が堂々と輝き、向かいには花火のような蜘蛛の巣が陽光に煌めく。
その他
公開:25/06/30 00:00
更新:25/06/29 06:50
後にも先にもこんなに カーブミラーのことを考えた 6月はない(笑 毎日投稿チャレンジ【完】 達成やったー!

花笑みの旅人( 気の向くまま )

ページを開いてくださり、ありがとうございました♪

6月12日〜6月末まで勝手にチャレンジしていた毎日投稿を無事達成することができたので7月から夏休みに入りま〜す(⁠◍⁠•⁠ᴗ⁠•⁠◍⁠)

ガーデンでは☆を押してくださったのがどなたかわからないシステムですが、そんな中☆を押してくださった方ありがとうございました!また、リアクション等されていなくとも作品を開き読んでくださった方がいらっしゃいましたとしたら、重ねて感謝申し上げます。貴重な時間を割いていただきありがとうございました!!

もちろん、いつも楽しいコメントをくれるあなたも心からありがとう♪
では、暫くばいばいぴょ〜ん!

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