父と娘と音楽教室

将来、歌手を夢見る私。
音楽教室に通いたいと母にお願いすると「ダメよ」と即答された。
でも父が「俺も通いたい」と言ってくれたおかげで事態は好転。
私達に懇願に、母は教室に通う事を渋々許してくれた。
教室がある時、私はいつも父と一緒だ。それもあって最近は会話も増えた。
「父さんはどんなレッスン受けてるの？」
私と父ではクラスが違う。父が教室で何を学んでいるか興味あった。
「ん？俺はリズム感を補正してもらってる」
「リズム感？」
「ほら、俺ってさ、仕事柄残業や外食が多いだろう？睡眠のリズムや食生活のリズムが音痴になりかけていてさ…」
そういえば父は音楽教室に通い始めてから健康的になった。
「あと、今は会話のリズムを鍛えている真っ最中だ」
最近、父と会話がかみ合う理由に納得した。
「今度さ、母さんも誘おうよ」
「それ、いいね」
私の提案に乗ってくれる父。
家族のハーモニーが増していく予感がした。