落しましたよ

今年、大学生になったばかりの僕には憧れの先輩がいる。
どうにかあの人とお近づきになりたい！でも、どうやって声をかけたらいいか分からない…

ある日のことだ。すれ違いざまに先輩がハンカチを落とした。
「あの！落としましたよ！」
僕の声に振り返る先輩。ハンカチを見て、首を傾げる。
「それ、私のじゃないわよ」
焦る僕。確かに先輩が落としたのを見たのに…
先輩がくすりと笑う。
「もしかしてナンパ？今、暇だからお茶の一杯くらいなら付き合ってあげるよ」
「よ、よろしくおねがいしまぅ！」
嚙みながらも即答してしまった。
あまりの嬉しさに僕の頭から違和感は吹き飛んでいた。

まさかこんなに簡単にハニートラップ作戦が成功するとは…と、私は内心驚いていた。
気になる後輩がいるが、恥ずかしくて私からは声をかけられない。
それを友人に相談したらこの方法を教えてくれた。
あとはどちらが先に相手を恋に落とすか、だな。