笑み

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 畑に出る。案山子が立っている。案山子の口元が、血で汚れている。案山子の足元に、鳥の羽根と、少し肉のついた骨が落ちている。本当によく働いてくれる案山子だ。私は案山子の頭を撫でる。案山子の口元が笑みで歪み、びっしりと生えた歯が見える。そこへ、一羽の小鳥が、まるで案山子に吸い寄せられるように、飛んでくる。
ホラー
公開:25/06/25 17:27

六井象

短い読み物を書いています。その他の短編→ https://tomokotomariko.hatenablog.com/

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