ある日の遠山の金さん

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「おうおう、お前ら悪党どもが、どんなにしらばっくれても、この桜吹雪がすべてお見通しなんでえ!」
(もろ肌脱いで、金さんの決め台詞が出た。そろそろ大詰めかな)
(あれっ。お白州にいる悪人たちが次々と着物を脱ぎ始めたぞ)

「俺の桜吹雪はどうでえ」
「おいらの桜吹雪も」
「おいらも……」
(おいおい。みんな桜吹雪の入れ墨をしているぞ。いったいどうなってるんだ? あれれっ。今度は金さんの後ろに控えている奉行所の役人たちも着物を脱ぎ始めたぞ)

「拙者の桜吹雪はどうじゃ」
「わしの桜吹雪も」
「わしも……」
(ありゃりゃ。もうどれが本物の金さんか分からなくなったぞ。おや、画面に大きくテロップが出た。何だろう?)

ー金さんを探せ
(ウォーリーかよ!)
その他
公開:25/06/21 08:06
更新:25/06/21 08:12

ナラネコ

老後の楽しみに、短いものを時々書いています。

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