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友達のアイちゃんと家の庭で遊んでいたら、山椒の木に緑色の幼虫がとまっていた。幼虫はもりもりと葉を食べていて、見ているあいだにも大きくなっているみたいだった。
「チョウチョになるのかなぁ?」と私がつぶやくと、アイちゃんはポケットからおもむろに携帯電話を取り出した。なにか変だと思ったら、ダンボールでできているし、右上には1Gと書いてある。私の視線に気づいたアイちゃんは、得意げにそれを耳に当て、電話をかけるそぶりをした。
「おじいちゃん? 山椒の木にいる幼虫ってなぁに?」
アイちゃんの家はお隣だ。生け垣の向こうからは、アイちゃんのおじいちゃんの声が聞こえてきた。
「ナミアゲハだよ。うちのパセリにはキアゲハの幼虫がいるよ。とってもきれいだから、観察しにおいで」
1Gはおじいちゃん直通の通信手段だったのだ。あれから十数年経つけど、アイちゃんに会うと必ず当時の手作り携帯電話の話になり、笑ってしまう。
「チョウチョになるのかなぁ?」と私がつぶやくと、アイちゃんはポケットからおもむろに携帯電話を取り出した。なにか変だと思ったら、ダンボールでできているし、右上には1Gと書いてある。私の視線に気づいたアイちゃんは、得意げにそれを耳に当て、電話をかけるそぶりをした。
「おじいちゃん? 山椒の木にいる幼虫ってなぁに?」
アイちゃんの家はお隣だ。生け垣の向こうからは、アイちゃんのおじいちゃんの声が聞こえてきた。
「ナミアゲハだよ。うちのパセリにはキアゲハの幼虫がいるよ。とってもきれいだから、観察しにおいで」
1Gはおじいちゃん直通の通信手段だったのだ。あれから十数年経つけど、アイちゃんに会うと必ず当時の手作り携帯電話の話になり、笑ってしまう。
その他
公開:25/06/20 19:34
☆やコメントありがとうございます✨
作品のイラストはibisPaintを使っています。
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