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公園のベンチで、友人がスマホの画面に釣り糸を垂らしていた。
「よっ!何してんの~?」
俺が声をかけると、釣り糸はそのままに涼やかな瞳をこちらにむけてきた。
「今日は特に濁っていたから入れ食いだろうと思って。…ほら」
友人が静かに釣り糸をスマホ画面からひきあげると、やたらと尾の長い極彩色の魚が釣り上げられた。狂ったように跳ねる魚から釣り針をはずすと、友人は膝上で開いてあった真っ白なコンパクトミラーへ魚をぽちゃんと放す。
「この魚は…?」
「尾ひれに背びれに胸ビレ…あらゆるヒレがついて泳ぎ回る噂。SNSを開いたらこいつらが暴れまわって濁っていたから」
友人のスマホ画面は土砂降りで氾濫した川の色をしていた。
「そいつ、どうすんの?」
「鏡の中で冷やして真実に戻す」
鏡を覗く。先程まで暴れ回っていた噂は落ち着きを取り戻してヒレも色も落ち、そもそもその存在そのものが消えかかっていた。
「よっ!何してんの~?」
俺が声をかけると、釣り糸はそのままに涼やかな瞳をこちらにむけてきた。
「今日は特に濁っていたから入れ食いだろうと思って。…ほら」
友人が静かに釣り糸をスマホ画面からひきあげると、やたらと尾の長い極彩色の魚が釣り上げられた。狂ったように跳ねる魚から釣り針をはずすと、友人は膝上で開いてあった真っ白なコンパクトミラーへ魚をぽちゃんと放す。
「この魚は…?」
「尾ひれに背びれに胸ビレ…あらゆるヒレがついて泳ぎ回る噂。SNSを開いたらこいつらが暴れまわって濁っていたから」
友人のスマホ画面は土砂降りで氾濫した川の色をしていた。
「そいつ、どうすんの?」
「鏡の中で冷やして真実に戻す」
鏡を覗く。先程まで暴れ回っていた噂は落ち着きを取り戻してヒレも色も落ち、そもそもその存在そのものが消えかかっていた。
その他
公開:25/06/21 00:00
更新:25/06/20 20:30
更新:25/06/20 20:30
気分転換〜
ページを開いてくださったあなたに感謝です(◍•ᴗ•◍)/
7月は時々投稿するかもですが夏休み継続中。お酒、温泉たまご、冷奴、枝豆、アイスあたりが最近の生きる希望ですねぇ
※更新されると消えてしまう感じを私は好んでいたのかもしれないと気づいたので、基本的にラジオ関連の作品は今後公開しないと思います〜
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