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 母が亡くなった。病院のベッドで、天井を見ながら、「水が飲みたい」とつぶやいて、事切れた。母の葬式の後、母が一人暮らしをしていたアパートを片付けていた。台所の水道の蛇口から、ぽたぽたと水滴が垂れていた。私は蛇口の栓をぎゅっとしめた。しかし、水滴は止まらなかった。私はそれを見ているうちに、何となくわかってきた。「お母さんは死んだよ」蛇口にそう声をかけた。ぴたりと、水滴が止まった。
ファンタジー
公開:25/06/22 18:15

六井象

短い読み物を書いています。その他の短編→ https://tomokotomariko.hatenablog.com/

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