爆音☆退散！

最近、倦怠感と異様な肩の重みに悩まされている。今も重い体でなんとか外出中だ。

…ドッドッドッ！！

うわ、後ろから爆音で音楽鳴らす車きた…頭に響く、勘弁してよ……ん？
爆音カーが横を通り過ぎると体が軽くなった。困惑する俺の少し手前で車が止まり、茶髪のロン毛な兄ちゃんに声をかけられる。

「おつ〜。いきなりゴメンだけど、激ヤバだったから除霊した～」

陽キャ兄ちゃんの横で銀髪女子が「ウケる〜」と手を叩く。え、何？

「俺、陰陽師？の家系だからぁ、ドライブがてらBZM(爆音除霊ミュージック)でまとめてノリ悪そうな霊払ってんの」

つまりこの人のおかげで体が楽に？

「ありがとう！」

ウェーイと俺達がハイタッチすると、途端に銀髪女子が紙人形へ変わった。

「あ、こいつは笑い声で邪気を払う式神なんよ」

兄ちゃんがシートから拾い上げた紙人形をヒラヒラさせると「ウケル～」という笑い声が聞こえた。