名画でショート064『オリシスとイシス』(アンゼルム・キーファー)

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この奇妙な古代の土でできた造形物を見て、様々な学者が意見を言った。
既存概念に凝り固まった学者は、長方形が積み重なった形状から「階段ピラミッドである」と主張した。
頭の中が空っぽの学者は「古代の神殿である」もしくは「古代の天文台である」と主張した。
もちろん「王家の墓である」と主張する学者も出てきた。もっとも、周辺は荒野であり、巨大な王権の存在は見つかっていない。
民間研究者からは、いつものように「宇宙人が作った」という説がでてきた。
結論から言えば、これは単なる巨大な土の塊である。この単なる土の塊からいろいろな説がでてくるのは、人間の想像力の豊かさを表すものか、それともどこかで聞いたような説しかでてこないのは、発想力の貧困さを表すものか。
社会学の研究者は、登場した説について、さっそく分析を始めた。
その他
公開:25/06/18 18:37

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