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とある小さな村の村長が死んだ。
流行病に罹り、半月も持たずに、自宅で多くの村人に看取られながら、亡くなったそうだ。
すぐさま村長の葬式が行われ、遺体の入った棺桶が土の中へと埋められた。

それから数日後、死んだはずの村長が村に現れた。
村長は、足早にどこかへ向かっていた。
村長が向かった先は、村の警察署だった。

村長は警察署に着くなり、叫んだ。
「村人に病気に見せかけて殺されそうになった!アイツらを逮捕してくれ!」

村長の言葉を聞いた警察官は、冷たい口調でこう言った。
「あなたが死んだ事でこの村は平和になったというのに、復活されては困るんですよね。」

村長は戦慄した。
後ろを振り返ると、大勢の村人が待ち構えていた。
「今度こそ、復活できん...」

その瞬間、村長は目を覚ました。
「なんだ...夢か。」

窓の外からは月の光が差し込み、遠くから大勢の人間の足音が近づいてきていた。
ホラー
公開:25/06/18 14:50
更新:25/06/20 21:21

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