魚とプリンは鼻の頭にあり

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《魚を咥えた野良猫を裸足で追いかけていた専業主婦に魚をぶつけた事件が--》

 どんなニュースでも必ず耳に入り、脳のシミとなるのだが、今の私はショックのあまり周りの音が聞こえていなかった。

「アホみたいなニュースやけど、なんか嫌やね。魚て生臭なるやん.......暇人もいたものやなぁ」

 鼻の頭を掻きながら、アクビを漏らす彼に私は「助手君……プリンを食べたね?」キッと睨みつける。

 彼は再び鼻の頭を掻きながら「いやいや、知りまへんよ!知りまへん!あっせや!近くでプリンが安売りしてたから買おたんやった」なんてリュックから取り出す。
 
「まったく、嘘が下手だな」
「それよか先生、仕事が来とれへんんやし、名前を売るためにもさっきのしょーもない事件解決せえへん?探偵業続けたいんやんなぁ?」
「確かにな、でも--」

-- もう分かってる --

 助手君の鼻の頭は真っ赤になっていた。
ミステリー・推理
公開:25/06/13 21:35
更新:25/06/13 22:34
探偵 推理

江戸前餡子( あなたの心の中 )

勉強中が故、感想を頂けたら幸いです。

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