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「人間を駆除する薬を出しておきますね」地球に当てた聴診器を耳から外しながら、星医者はそう言った。地球は処方された薬を、決められた用法・用量を守って、きちんと飲んだ。そのお陰で、地球から人間は一人もいなくなった。健康になった地球は深呼吸し、宇宙の静けさを肺一杯に味わった。星医者が聴診器を当てた跡は、新しい地球を象徴する巨大な湖になった。
SF
公開:25/06/15 17:45

六井象

短い読み物を書いています。その他の短編→ https://tomokotomariko.hatenablog.com/

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