名画でショート063『The Land of the Two Rivers』(アンゼルム・キーファー)

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川と言うより沼だった。
大地が水平に近づくほど、川の流れは緩やかになり、流れは淀みとなり、ついには動かなくなる。沼地となった河床には藻が発生し、大地を徐々に緑色に変えていく。
白かった川も、青くなり、藍色へと変化する。
川が死に、代わりに誕生した湿原に生命が溢れる。世界に色が増えていく。
もし世界から色が減ったら、動植物たちが消えた証拠。世界が単純化した証。
ふと、自分の周りを見渡す。
いま自分の目に映る色は、何種類あるだろうか。
その他
公開:25/06/11 18:09

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