男の性

「お客様、ご一緒にどうですか？　この薬、なんでも治ります」
薬局でレジを通してもらっていると、男は不意に薬を勧められた。
しかし男は、薬より女性の容姿に夢中だった。
今ならポテトでも、買ってしまいそうだった。
なんとか気を引こうと、男は賭けに出た。

「じゃあ愛をください」

女性はちょっとの間、面食らったようだったが、ニッコリ微笑んだ。

「熱があるようですね。この薬、解熱作用もあるんです。ちょうど２つ残ってるので、一緒に入れておきますね」
店員はそう言って、その薬も袋に詰めるとレジを叩いた。
会計の値段は安いものではなかったが、男はまんざらでもなかった。