梅雨時は、楽しげに

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梅雨は、誰にとっても憂鬱だ。
母は買い物に行くのが億劫で、父は出勤が大変になる。
犬はろくに散歩に連れて行ってもらえない。
そして男の子は、外に遊びに行けないのである。
これが憂鬱でなくて、なんというのだろう。

男の子は、船を作って遊んでいた。
おもちゃではない、本物の船だ。
少なくとも、男の子はそのつもりだった。
そして、遊んでるというより、備えていた。
鼻歌など歌って、ご機嫌そのものだ。

男の子は夢想する。
父と母と一緒に、この船に乗ることを。
その夢は、果たして叶うのだろうか?

男の子の愛読書は、ノアの箱舟だった
その他
公開:25/06/12 20:29
皮肉屋さんの小噺

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