手帳

手帳に旅のスケジュールを書こうと、机の上を見たが見付からない。
あちこち探していたら玄関のドアの所に落ちている。
ああ、良かった。早速旅の日程の月日に記入しようとしたら,既に私の名前とスケジュールが丸文字で書かれていた。
しかもそこには、旅先で風邪をこじらせ入院と書かれている。
私は始めからこの旅は気乗りがしなかったので、不思議な気がして旅は中止と決めて手帳を閉じた。

その夜、私の手帳を返して下さいと言う声がした。
声の主は、私は貴方の未来スケジュールを担当している者です。
私の手帳が貴方のと同じ型であったので、間違えて貴方のを持ち帰ってしまいました。
貴方の手帳は机の上に返して置きます、ごめんなさいと言って静かになった。
私は翌朝机に置かれた手帳に、旅中止と書いた。
先のページを捲ると丸文字で宝くじを買うと書かれていた。何だか今からワクワクして来た。