夕焼けサロン

子育てを妻に任せっきりだった俺は子どもと何を話せばいいか分からず困っていた。
そんな悩みを同僚に相談すると「夕焼けサロンに行くぞ」と言われた。
夕焼けサロン？俺は日焼けに興味ないぞ。
行くならせめて、サウナか居酒屋に…なんて言っている内に、夕焼けに染まる公園へと連れてこられた。空いているブランコを見つけてはそこに座った。
視線の先、夕焼けに染まる公園を子ども達が楽しそうに遊んでいる。そこにエモさを感じる。
「こんばんは」
見知らぬおじさんに声をかけられる。遊んでいる子どもの親だそうだ。
同僚がおじさんに私の悩みを伝えた。
「このサロンにぴったりのお悩みですね」
えっ？夕焼けサロンのサロンってコミュニティ的な意味だったの？
「家族と一緒に、散歩がてらこの公園にお越しください。夕焼けの温かさで心の氷を溶かし、自然と会話ができるよう協力させてもらいます」
確かにこのムードなら、何でも話せそうだ。