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雨を飲んでくれるごくん傘を持っている。雨水を弾いたり受け止めたりするのではなく、ごくごくとおいしそうに飲んでくれる傘だ。おかげで大雨の日でも傘がびしょびしょにならず快適だ。
「雨だ雨だ!うっめえ!」
ごくん傘はまるでお酒を飲むかのように雨の日を楽しむ。小雨でも雪混じりでもどんな雨でも喜んだ。
ところがある年の梅雨、雨の日が10日ほど続いたところでごくん傘がダウンした。
「飲みすぎた。二日酔いだ」
とのことだった。
仕方なく私はしまい込んでいた予備のごくん傘を取り出した。慣れないけどしばらくはこっちの傘で凌ごう。
だけど傘をさしてまもなく私は異変に気付く。この傘は全然雨を飲んでくれないのだ。
「なんで雨飲まないの?」
私の問いかけに予備のごくん傘はくるくると雨をはじきながら答えた。
「だってこの雨、酸っぱいんだもん。私甘い雨しか飲めないの。あなたが甘いお酒しか飲めないのと同じだよ」
「雨だ雨だ!うっめえ!」
ごくん傘はまるでお酒を飲むかのように雨の日を楽しむ。小雨でも雪混じりでもどんな雨でも喜んだ。
ところがある年の梅雨、雨の日が10日ほど続いたところでごくん傘がダウンした。
「飲みすぎた。二日酔いだ」
とのことだった。
仕方なく私はしまい込んでいた予備のごくん傘を取り出した。慣れないけどしばらくはこっちの傘で凌ごう。
だけど傘をさしてまもなく私は異変に気付く。この傘は全然雨を飲んでくれないのだ。
「なんで雨飲まないの?」
私の問いかけに予備のごくん傘はくるくると雨をはじきながら答えた。
「だってこの雨、酸っぱいんだもん。私甘い雨しか飲めないの。あなたが甘いお酒しか飲めないのと同じだよ」
公開:25/06/05 20:33
更新:25/06/05 21:00
更新:25/06/05 21:00
山吹橙子(やまぶきとうこ)と申します。趣味で小説にチャレンジ中の平凡な会社員です。
楽しい話、ツッコミたくなる話が書けるよう日々精進しています。
ど素人のひよっこですがよろしくお願いします!
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